同日に東京都立大学南大沢キャンパスで催された「2023年日本地理学会春季学術大会」の場で、東京大学・空間情報科学研究センター(東大CSIS)が「今昔マップ」をはじめとする谷さんが開発されたソフトウェアの稼働するサーバの運営を受け持つ旨、同センター教授の小口 高さんから報告されました。
本日の日本地理学会 #ajgeog の大会で、シンポジウム「学校教育・生涯学習における地理情報活用の一般化 」が行われました。これは昨年8月に逝去された谷謙二さん @ktgis を追悼する企画でした。そこで私は、谷さんが開発されたソフトウェアやウェブサービスの今後の公開について報告いたしました。
— Oguchi T/小口 高 (@ogugeo) March 26, 2023
現在、谷さんのウェブサイト https://t.co/TcC6pLphxX は有料レンタルサーバーで運用されていますが、その完全なコピーおよびバックアップとなるサイトを、私の勤務先である東京大学・空間情報科学研究センターのサーバーに作成いたしました。後者は現時点では非公開ですが、随時公開に変更可能です。
— Oguchi T/小口 高 (@ogugeo) March 26, 2023
東京大学のサーバーでは、多くの方が運用の継続を希望されている「今昔マップ on the web」が、現状と同様に動くことを確認済みです。また、谷さんのご遺族や国土地理院などの関係者とも相談し、谷さんの遺産の公開先が東京大学に変更になっても、著作権関連の問題が生じないことも確認済みです。
— Oguchi T/小口 高 (@ogugeo) March 26, 2023
なお、東京大学・空間情報科学研究センターは、谷さんの遺産を継続公開する体制を維持することを担当いたしますが、ソフトウエアやウェブサービスの改良を含む開発の活動は、基本的に予定しておりません。したがって、その種の要望を受けても対応が困難なことについて、ご理解をよろしくお願いします。
— Oguchi T/小口 高 (@ogugeo) March 26, 2023
実際、現在「今昔マップ on the web」を見ると、谷謙二さんの名前の隣に生没年が追記されており(各ページのタイトル等、谷さんの名前の記されている多くの箇所にも同様の追記が見られます)、更に「研究室」のページには
と記載されています。東大CSISが維持管理していることを示すものは今のところ見られませんが、谷さん逝去後に初めて追記がなされたことで、後継の管理者がWebを更新できていることが確認できます。本サイトの管理人であった谷謙二埼玉大学教授は2022年8月に逝去しました
追加の開発等は行われないとのことですので、「今昔マップ on the web」に更に過去の地形図が追加されたりする様な更新も行われないことになります。その点は特に「今昔マップ on the web」の対象になっていない地域には残念なことではありますが、現状でも過去の地形図相互の比較を行う上で大きな力となっている点は変わらないと思います。
まずは「今昔マップ on the web」の将来が担保されたことに感謝の意を表したいと思います。