本ブログでは「今昔マップ on the web」を事ある毎に利用させて戴いてきました。「迅速測図」こそ先行システムである「歴史的農業環境閲覧システム」と連携する形態をとっていますが、歴代の地形図をオンラインで閲覧できるだけではなく、特定の地点の地形図を、まるで地図を重ね合わせて透過させて見る様に見えやすく表示してくれる点では、大変重宝な閲覧環境を提供してくれるシステムになっていると思います。技術面では様々困難な面もあった筈ですが、利用している上ではその様な問題も少なかったと感じています。
大学の研究室での研究成果物として公開を続けられていたのでしょうが、無償で一般人からでもアクセス可能な環境として公開されていたことは大変にありがたいことでした。こちらからはブログ上で利用するに際しての技術的な問い合わせを幾度か行いましたが、都度真摯に御回答を戴くことが出来ました。今後も引き続き事ある毎に利用するつもりでいたのですが、主宰される方が急逝されたことで一気に今後がわからなくなりました。追って研究室に残られている方から発表があるのを待つより他ありませんが、これまでの経緯で「今昔マップ on the web」が大学のサーバではないことを見ていますので、そうなるとこのサーバとの契約が終了した時点でアクセス不能となる可能性が出て来ています。
希望を述べさせていただければ、一連の地形図は元々国が測量して製作してきた成果物ですから、その現在の形態である「地理院地図」に「今昔マップ on the web」が統合されるのが、現時点では最も自然な形ではないかと思います。勿論、研究室が引き継がれて研究を継続するために現形態が維持される等別の形でも良いのですが、多くの人が「今昔マップ on the web」を活用する様になっている現在、何とか消失だけは避けて欲しいものです。
追記(2022/09/23 19:30):その後twitter上に流れた情報によれば、現在遺族の方々とコンタクトを取りながら存続に向けて動いている方がいらっしゃる様です。どの様な形になるかはまだ不明ですが、ひとまず「今昔マップ on the web」の消失という事態は回避できそうです。
※追記(2022/10/16):引き続き公式の訃報と言えるものは見ていませんが、谷謙二さんのtwitter
アカウントに「ヘチマのblog 」へのリンクがあり、そちらの最新記事に奥様のものと思われる文章が掲載されていました。これによれば急性骨髄性白血病の治療後から間質性肺炎を患っていて治療を続けていたものが悪化したということの様です。改めてご冥福をお祈りします。
- 形名 - 2023年03月25日 19:59:01
ところで、今昔マップの低解像度を補うものとして、農研機構が公開していた陸軍の迅速測図が2023年3月末で公開が停止されるようですね。サイト自体が閉じられると書いてあります。念のため、昨晩、関東平野迅速測図/東京測量図原図 MBTilesの6GBをダウンロードしておきました、参照するにはMBTilesを扱えるツールが必要ですが、高精度で見られるので重宝します。