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「脇往還」カテゴリー記事一覧

「【史料集】『新編相模国風土記稿』足柄上郡各村の街道上の位置」その他の修正について

前回に引き続いて、松浦武四郎の明治2年(1869年)の紀行文「東海道山すじ日記」(以下「日記」)を取り上げる予定でしたが、その前に以前まとめた記事の修正を済ませておいた方が良いと思い立ちました。件の記事では「新編相模国風土記稿」(以下「風土記稿」)の各村の街道の記事を一覧にまとめ、それらの街道の位置を推定した地図を添えましたが、その中で矢倉沢往還の足柄上郡の部分に一部修正を加える必要があり、説明が長くなりそうなので、別建ての記事として予め公開しようと考えた次第です。

この修正を行うに当たり、参考にしたのは次の書籍です。

善波峠〜足柄峠 矢倉沢往還ウォーキングガイド」 2017年3月 矢倉沢往還に関する研究会編
2市3町矢倉沢往還探訪ウォーキング事業実行委員会発行(以下「ガイド」)



発行者の名称が示す通り、矢倉沢往還の沿道の市町である秦野市・大井町・松田町・開成町・南足柄市が協力して作成した詳細なガイドです。巻末には比較的詳細なルート地図が掲載されています。基本的には実際に現地を歩いてもらうための「ウォーキングガイド」ですから、同書の断り書きに見られる様に、このルートは現在安全に通行出来る道筋を選択しているため、当時の道筋からは逸れる区間を含んでいます。とは言え、沿道各市町で矢倉沢往還について研究されている方々の手によって、出来るだけ当時の道筋に近いコースに線が引かれており、これと「迅速測図」等とを照合することで、当時の道筋をかなり精度高く追うことが出来ます。

今回修正を加えたのは次の箇所です。
  1. 以前の足柄上郡の矢倉沢道の地図では、曽屋(現:秦野市曽屋、他)から千村(ちむら)(現:秦野市千村)を経由して四十八瀬川(川音川)沿いに降りて神山(こうやま)(現:松田町神山)へと向かう道のみを示していました。このまとめを作成した際には、「風土記稿」に曽屋から篠窪(現:大井町篠窪)を経由して神山へ向かう道筋が川音川の増水時の通行路であることの記述があるにも拘らず、これを矢倉沢道の別道と認識せずに解説をしていました。今回この別道を追記し、関連する記述を修正しました。

    また、大住郡の矢倉沢道の地図にも同様の追記を行い、併せて他の道を書き加えて位置関係を示しました。因みに、この篠窪経由の道は神山へ降りる区間を除いて「小田原道」と重複していますが、「風土記稿」の大住郡の各村の記述では篠窪へ抜ける小田原道(大山道)が矢倉沢往還の別道である旨の記述はありません。

  2. 以前の地図では神山から十文字の渡しにかけての道筋が正確ではなく、神山から町屋(現:松田町松田惣領、現在の地形図上にも「町屋」の字が記されている)を経由する道と松田惣領の本村を経由する道とを混同した道筋を描いていました。

    一方「ガイド」では、この区間の道筋を次の3通りに分けて紹介しています(22ページ)。

    • 神山・町屋コース:
    • 河内(かうち)・沢尻コース:
    • 松田惣領・庶子境道コース:

    また、「十文字の渡し」についても次の3通りの位置を紹介しています(32ページ)。

    • 元文時代(1736〜40年)の頃の位置:
    • 天保時代(1830〜43年)の頃の位置:
    • 「迅速測図」(明治15年・1882年)に描かれた位置:

    他に、享保年間(1716〜35年)以前の渡し場の位置については、右岸側のみ巻末の地図上に位置が示されています。

    以前の記事の地図は、基本的には「風土記稿」に記述された街道の大筋の位置を示す目的で描いたものです。その意味では、「風土記稿」時点では矢倉沢往還の道筋とは認識されていなかったであろう明治以降の道筋を示すべきではないとも考え、特に「十文字の渡し」については「風土記稿」成立の年代である天保年間の道のみに絞ろうかとも思いました。しかし、「ガイド」の解説からはそこまで時代を絞り切れるとも考え難いことから、今回は「ガイド」に示された道筋を一通り反映することとしました。「十文字の渡し」については、便宜的に元文の渡しの位置を矢倉沢往還を示す青線の中に取り込みました。

    基本的には、「ガイド」のコースを出来るだけ忠実に「地理院地図」上でトレースするものの、ウォーキングのコースとして史蹟などを巡るために付け加えられたと思しき区間は除外する形で線を引いています。

    矢倉沢道:松田付近解説用
    「ガイド」で解説された矢倉沢往還の松田付近のコース

これに伴い、「日記」の各記事で作成した地図にも同様の修正を逐次施します。
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【史料集】「新編相模国風土記稿」愛甲郡各村の街道の記述(その6)

引き続き再開が覚束ない状況です。今回も以前から書き溜めていたものをアップしますが、そろそろ在庫が途切れそうです…。

前回に引き続き、「新編相模国風土記稿」の愛甲郡の各村の街道の記述をまとめます。今回は、愛甲郡図説では触れられなかったものの、各村には記述が見られる道筋を中心にまとめます。

今回もストリートビューの埋め込みが多いため、本文は追記に押し込んであります。

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【史料集】補足:足柄上郡の各街道のストリートビュー集(その3)

今回から、2〜3週に1回程度のペースで記事をアップして、リハビリを試みたいと思います。皆さんのブログへの巡回は当面散発的になる予定です。

今回は軽めの記事を、ということで、「新編相模国風土記稿」の足柄上郡の各街道から1箇所ずつポイントを見繕ってストリートビューを掲げてみようと思います。

ブラウジング環境によってはストリートビューを幾つも埋め込むと動作が重くなるかと思いますので、今回も本文を追記に押し込んであります。

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【史料集】「新編相模国風土記稿」愛甲郡各村の街道の記述(その5)

まだ復帰の目処が立ちませんが、休載前にある程度書き溜めていた原稿を取り敢えず公開します。

前回に引き続き、「新編相模国風土記稿」の愛甲郡の各村の街道の記述をまとめます。今回は、愛甲郡図説で紹介された街道のうちの残りの1本について考えてみます。

今回はストリートビューの埋め込みが多いため、本文は追記に押し込んであります。

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【史料集】補足:足柄上郡の各街道のストリートビュー集(その2)

前回に引き続き、足柄上郡の各街道から1箇所ずつポイントを見繕ってストリートビューを掲げてみようと思います。ブラウジング環境によってはストリートビューを幾つも埋め込むと動作が重くなるかと思いますので、今回も本文を追記に押し込んであります。

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