【リンク集】「古典料理の研究」(松下 幸子他)

今回は私自身の作業用メモを兼ねています。

相変わらず外出が思うに任せない中で、多少なりとも参考になりそうな資料をネット上で探しています。「新編相模国風土記稿」の産物について調べる上では、農林産物・水産物に食材となるものが多く含まれていることから、当時それらがどの様に食されていたのかを確認し、現在のそれとの隔たりが無いか、特に、現在では感じられることが少なくなってしまった食材の「旬」などを調査するために、当時の料理書などに当たっています。

これまでは、江戸時代初期に成立し、その後も繰り返し出版されて以後の料理書に多大な影響を与えたとされる「料理物語」を主に参照してきました。他にどの様な料理書があるか、あわよくばそれらの翻刻がないか探してみたところ、「千葉大学教育学部研究紀要」上で昭和50年から平成3年(1975〜1991年)に連載された「古典料理の研究」と題された一連の報告書上で、かなりまとまった数の翻刻が読めるのを見つけました。そこで、後々の利用を考えて、各報告書へのリンクを一覧化しておくことにしました。

この報告書で取り上げられている料理書は、江戸時代の代表的なものが集められているというよりも、現在に伝えられている稿本相互の異動を確認するなどの研究テーマに則った選択がなされていたと思われます。このため、もちろんここで取り上げられている料理書だけでは、当時の料理書を俯瞰出来ると言うことは出来ないとは思います。とは言うものの、最初の報告でまとめられている年表は、図書館などで料理書を探索する際の手引きとして十分役立ちますし、ネット上でこれだけの翻刻をまとめて読めるものは、まだそれほど数多くある訳ではないと思います。

なお、ここでは CiNii(NII学術情報ナビゲータ)と千葉大学の「学術成果リポジトリ」に掲出されているものを2種類リンクとしてまとめました。2つのサイトのPDFには、報告書の影印の部分では差異は見られませんが、CiNiiのPDFにはスキャナソフトのものと思われるOCRによるテキストが含まれており、PDFリーダーアプリによってはこのテキストを抽出してコピー&ペーストの用途に使うことが出来ます。但し、OCRの精度が低いため、抽出したテキストの内容を影印と突合する必要がある点や、全文検索で過不足なく検索結果を得られない点は注意が必要です。また、CiNiiは4月にJ-STAGEへ移行されることになっていたものの、移行作業が追い付いていないことから、現時点では引き続きCiNii上での公開が続けられています。J-STAGEへの移行作業後にこれらのCiNii向けのリンクが切れる可能性がある点は御了承下さい。

報数CiNii千葉大著者主な内容
(一)松下 幸子・吉川 誠次序説/江戸時代の料理書年表/「料理献立早仕組」(天保四年・1833年、風羅山人 編)翻刻
(二)松下 幸子・吉川 誠次「料理塩梅集」(寛文八年・1668年、塩見坂梅庵 著)翻刻と校異
(三)松下 幸子・吉川 誠次「和漢精進新料理抄」「鮓飯秘伝抄」「名飯部類」「大根料理秘伝抄」考察/「虚南留別志(うそなるべし)」(天保五年・1834年、覚蓮房(かくれんぼう)=江戸木屑庵 著)翻刻
(四)松下 幸子・吉川 誠次・川上 行蔵「傳演味玄集」(延享二年・1745年、諸星吮潮斉 著)翻刻と校異
(五)松下 幸子・吉川 誠次・川上 行蔵「傳演味玄集」の類本について/類本の項目の対照と翻刻
(六)松下 幸子・吉川 誠次・川上 行蔵「料理集」(寛政九年・1797年、白蘆華 著)翻刻と校異
(七)松下 幸子・吉川 誠次・川上 行蔵「料理集」(享保十八年・1733年、橘川 房常 著)翻刻と校異
(八)松下 幸子・山下 光雄・冨成 邦彦・吉川 誠次「料理物語」(寛永十三年・1636年、著者不明)翻刻と校異
(九)松下 幸子・吉川 誠次・川上 行蔵・山下 光雄「小倉山飲食集」(元禄十四年・1701年、乾 只勝 著)翻刻
(十)松下 幸子・吉川 誠次・川上 行蔵・山下 光雄「小倉山百種献立」(成立年、著者不明)翻刻
(十一)松下 幸子・吉川 誠次・山下 光雄「料理の次第」一〜三巻(室町時代、伊勢 貞順 著)翻刻
(十二)松下 幸子・吉川 誠次・大泉 ふさ・逸見 英夫「伊達家年中行事記録」(安政年間、大童 信太夫 著)翻刻
(十三)松下 幸子・吉川 誠次・山下 光雄「黒白精味集」(延享三年・1746年、孤松庵養五郎 編)上巻 翻刻
(十四)松下 幸子・吉川 誠次・山下 光雄「黒白精味集」中・下巻 翻刻
(十五)松下 幸子・吉川 誠次・山下 光雄「料理一色集」(成立年不明、岩佐 仁辰 著)翻刻
(十六)松下 幸子「料理伝」(天明五〜七年頃、著者不明)翻刻


因みに、「料理物語」は国立国会図書館の「デジタルコレクション」上で「雑芸叢書」(1915年 国書刊行会)第一巻に収められている翻刻を読むことができます。その解説では、項目数の最も多い寛文四年(1664年)版を採ったとしています。「古典料理の研究(八)」では、寛永十三年版を寛永二十年版との校異を示しながら翻刻していますので、それらとの対照を行って変異を見出すことも出来ます。

今後も他に参考になりそうな論文がネットにあげられているものがないか、捜してみたいと考えています。目ぼしいものは今回の様な形でまとめる予定です。
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でも参照されている方が多い様ですので設置を継続します。

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