「地理院地図」の過去の空中写真の表示について

前回の記事にもう少し補足を。

前回の最後に、「地理院地図」上では一部の地域で1945〜50年の空中写真を地形図に重ねて表示出来ることに少し触れました。この戦後間もない頃の空中写真の「地理院地図」上での公開について、その技術的な手法や課題についてはこちらに国土地理院の担当者の方の論文がPDFで公開されています。やはり古い時代の空中写真は現在のものに比べると必ず新も高精度で垂直撮影されていなかったり、画像が鮮明でなかったり経年による劣化が見られたりといった課題があり、現在の地形図と高い精度で重ねるために解消すべき課題が多いことがわかります。そうした中で差し当たって政令指定都市を中心に作業が完了した分が公開されているのが現状ということの様で、それ以外の地域が公開されるまでにはまだしばらく時間が掛かることになりそうです。


鎌倉・江の島付近の1945〜50年の空中写真の公開範囲(「地理院地図」)

この論文の最初のページで公開された範囲が示されていますが、現時点では横浜市や川崎市は基本的に海岸部が中心で西側の内陸部はまだ対象となっていません。他方、南側は鎌倉市の中心部や逗子市、葉山町や横須賀市の一部までが含まれており、更に腰越や七里ケ浜、更には藤沢市の海岸部まで表示出来る様になっています。但し、江の島だけは範囲から漏れています。葉山町の辺りでは浦賀道がギリギリ範囲外となっており、ここが見えていれば以前の記事に手を入れて該当箇所の表示に使おうと思ったのですが、今のところはまだそれは叶わない様です。

道路の繋がり具合などを見る際には地形図の方が役に立つことが多いのですが、周辺の土地利用や景観をもう少し具体的に考える際には空中写真の方がわかりやすいこともあります。特に、水田や畑の拡がり具合は地形図では充分に描き切れないため、空中写真を見ないと具体的な土地利用状況がわからない面もあります。以下は横須賀市阿部倉付近の1960年代の地形図と同じ時期の空中写真を比較出来る様に「今昔マップ on the web」上で並べて表示させたものですが、地形図上では比較的勾配が緩やかになっている区域に薄く(褪色したものと思われますが)水田記号が描かれているだけなのに対し、空中写真では実際には非常に細かい棚田で埋まっていることがわかります。


阿部倉付近の昭和41年改測の地形図と1961〜64年の空中写真(「今昔マップ on the web」より)

過去の空中写真の公開範囲が拡がれば、こうした比較もやりやすくなりますので、新たに公開されるのを待ちたいところです。
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でも参照されている方が多い様ですので設置を継続します。

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