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国立国会図書館デジタルコレクションの「箱根七湯志」

「箱根七湯志」宮城野辺・明神嶽図
「箱根七湯志」(間宮永好著)より
宮城野辺〜明神嶽の図(再掲)
(「国立国会図書館デジタルコレクション」より)
前回の続きがまだ書き上がっていないので、前回画像を引用した「箱根七湯志」について少しメモを書き添えておきます。

間宮 永好(まみや ながよし)の「箱根七湯志」を取り上げたのは前回が初めてではなく、以前箱根のカジカガエルを取り上げた時に引用を紹介しています。ただその時は、「国立国会図書館デジタルコレクション」に収められた、明治21年(1888年)に大八洲学会から出版された書物の方を参照していました。こちらは湯本の温泉宿の主人であった福住 正兄(ふくずみ まさえ)が増補したもので、その経緯については増補者が以下の様に記しています。

此七湯志。原稿のなれるハ。安政五年五月。間宮翁おのが家に。入浴の折なり。さるを其後。ゆあみせられし折にも。もれたるをかきくはへなどせられて。かく整へるハ。文久の元年なり。其比より世の中。事多くなれるが爲に。上木にもならで。過せしハ。遺感の至になん。斯百事興らざる事なき。文明の世なるに。徒らに秘め置くべきにあらねば。間宮の刀自。久米大人にはかりて。こたび櫻木に物せんとせしに。時勢の變遷によりて。増補ぜざるを得ず。そハ此著のなれる。文久元年より。今年まてハ三十年になれるに。此間世の中の。變遷のはげしかりしは。皆人のしる處にして。其中にも尤甚しきハ。地方にしてハ神社神寺。關門道路橋梁。且温泉宿の盛衰なり。其他の事物も。變せざるハなく。依然たるハ只山水のみ。予不學にして。大家の著書を。校正増補せんハ。穿窬(せんゆ)といへとも。他に託すべき人の。あらぬを如何にせん。よりて不肖を顧ずして増補する事とハなれるなり。此書。高くふとく記せしハ本文なり。一字下げて。ほそく記せるハ。おのが増補なり。書中九藏とあり正兄とあるハ。別あらずして。皆おのれなり。紛らはしけれハ一言しるす

(大八洲学会版9〜11ページ、「国立国会図書館デジタルコレクション」より、句読点は原文ママ、変体仮名は適宜一般的なかなに置き換え、ルビはブログ主)


この言に従えば、幕末から明治にかけての時勢の変化によって改廃が多々発生したものについて増補を加えざるを得なかったということになり、自然の中にあるものについては手を付けなかった様に見えます。

「箱根七湯志」山梨・山樒図
「箱根七湯志」より山梨・山樒の図
(「国立国会図書館デジタルコレクション」より
一部不鮮明のためコントラスト増強)
しかし、同じ「デジタルコレクション」中に「箱根七湯志」の写本全2巻が収められているのを後になって確認したところ、例えば大八洲学会版では欠落していた「嚔草」や「山梨」、更には「鐘躑躅」の項がこの写本には存在していることがわかりました。但し「山梨」の項目には、恐らくは「七湯の枝折」から筆写したのであろう図が掲げられているのみで、特に何も注釈が記されていません。

先ほどの福住正兄の言の直前には、明治12年に当時の内務省にこの「箱根七湯志」が貸し出され、同省が写本を作って返却したことが記されていますので、国立国会図書館が現在所蔵しているのは恐らくはこの時に作成された写本でしょう。その9年後に増補版を作成する際には、何らかの判断が働いてオリジナルにあった一部の項目を割愛していることになります。因みに、神奈川県立図書館には「箱根七湯志」の別の写本が所蔵されていることが同図書館のOPACに見られますが、この写本がどの様な状態のものであるかは不明です。

間宮永好は幕末の水戸の国学者ですが、恐らくは湯本の福住旅館に滞在中に「七湯の枝折」を見せられて興味を持ったのでしょう。ひと通り筆写した上で自らも取材したものを多々書き加えて「箱根七湯志」を記したものと思われます。項目も「山梨」の隣に「山樒」が見える様に、必ずしも「七湯の枝折」にあるものに留まっているのではなく、独自に付け加えたものも含まれていますが、他方で「山梨」の様な空欄の項目が出来てしまっているのは、彼が目にすることが出来ずに特記事項がなかったからなのでしょう。その意味ではこの「箱根七湯志」は「七湯の枝折」を補う様な存在であると言えるのかも知れません。

今のところ「箱根七湯志」は大八洲学会版以外に翻刻されたものがなく、同版に収められなかった部分については影印を読むしかないのが現状の様です。写本は比較的丁寧な筆写が心掛けられているものの、恐らく原本に従って欄外などの追記をそのまま再現しており、必ずしも読みやすい状態になっているとは言い難い部分もあります。箱根町の郷土資料館辺りが改めてこの原本の翻刻版を出版しないか、などと身勝手なことをつい考えてしまうところです。
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